前記事では、私が羊水過少症と診断された後に大学病院に入院した体験を紹介しました。
私はその後、大学病院から周産期母子医療センターに転院し、緊急帝王切開により出産をむかえることとなりました。
妊娠8か月の出産となってしまったため、当然赤ちゃんは未熟児で産まれてきました。
そこで、本記事では周産期母子医療センターでの未熟児の出産について、私の実体験を紹介します。
【目次】
周産期母子医療センター
周産期母子医療センターとは、出産前後に関係した特に高度な医療を受けることができる病院で、三次救急医療機関の1つとなっています。産科と新生児科が連携されており、周辺地域の病院から高度な処置が必要となった産まれたばかりの赤ちゃんや、危険な状態の妊婦を受け入れる施設となっています。
私の転院先の病院にはもちろん新生児科はありますが、隣接した県立のこども病院と連携しており、出産後危険な状態にある赤ちゃんはこども病院に搬送されることになっていました。
私は周産期母子医療センターに備えられている、MFICU(妊婦の集中治療室)に入院していました。看護師の話によると1日あたり7万円もかかる部屋との事でした。ここでは18歳以上の家族のみに面会が許可されていました。
※入院費についてはこちらにまとめています。
未熟児の出産に備えて
私は妊娠28週から29週に入れるかというタイミングでの出産でした。
この時、推定体重は900gです。この時期の赤ちゃんは肺の発達が完全ではありません。そのため、入院してから帝王切開までの間に、赤ちゃんの肺の発達を促すステロイド注射を2日間行いました。ステロイド注射にはリスクもありますが、出産後の赤ちゃんの生死に関わる事なので受け入れるしかありませんでした。
出産直後の赤ちゃんの様子
あらかじめ未熟児の出産となることが分かっているので、手術室では隣接したこども病院の新生児科医師が保育器と共に待機してくれていました。
帝王切開によりお腹から出されてしまった私の小さな赤ちゃんは、医師に取り上げられる瞬間に産声をあげてくれました。予想外でしたが、産声をあげるということはお腹から外界に出て肺が膨らんだ証拠でもあるので、ステロイド注射を打っておいて良かったです。
取り上げられてすぐに新生児科医師の手に渡り、必要な処置がされました。手術台の上から動けない私は、一瞬だけ保育器に入れられた赤ちゃんの顔を見せてもらい、胸に抱くこともできずに赤ちゃんとはお別れとなりました。
その後、赤ちゃんはこども病院に搬送され、そのままNICU(新生児集中治療室)に長い間入院することになりました。
出産後の自分について
身体面について
出産後の私は初めての帝王切開の傷の痛みに苦しみました。
また、NICUに入院しているわが子に母乳を与えなければならないため、3時間毎の搾乳が始まりました。
これは本当に大変な作業ですが、3人目なので母乳に関しての知識があったことや、母子同室ではないことにより、上の子達の入院よりゆっくり身体を休めることができました。
精神面について
赤ちゃんの命がひとまず助かったこと、あと数日で退院して帰宅できること、上の子供達にやっと会えることに喜びを感じました。
しかし、産まれたばかりのわが子が明日生きられるのか、生きれたとしても今後どうなってしまうのかと不安ばかりが襲いました。
さらに、自分の入院費や今後のNICUへの長期入院の費用面の心配もありました。
1年経過し当時を振り返る
羊水過少症の原因
私の場合、羊水過少症となった原因は不明であると医師からは説明されました。
妊娠中は幼児2人を抱えながら、フルタイム正社員として毎日数時間の残業もこなし、怒涛のような日々を送っていました。
上の子達の妊娠時と比べると、妊娠初期から身体に負担を感じて毎日を過ごしていました。しかし、前回の妊娠時より年齢を重ねているせいだと思っていました。
また、自分と同じような状況の人なんていくらでもいるのに、妊婦だからと回りに甘えていられないと当時は無理をしていたと今なら思います。産休に入るまでに完璧に自分の仕事をこなして引き継ぎたいと、年度末の仕事の評価時期を前に頑張りすぎていました。
貧血で自宅で倒れこんだり、仕事中夕方になると大量の冷や汗が出てしまうことが多々ありました。こういった無理のせいで、私は胎盤機能不全になったのではないかと自分なりに思います。
また、私は片頭痛持ちなのですが、もちろん妊娠中は鎮痛剤や予防薬も飲めません。
予防のために少しくらいのカフェインなら大丈夫だろうと、毎日ペットボトルの無糖紅茶を500ml以上飲んでいました。
さらに悪阻によるひどい胃痛が出産前まで続き、医師から処方された胃薬では効果が無く、仕事を休みたくないのでネット上で妊婦も飲めると有名な市販の胃薬を自己判断で飲んでしまっていました。
あれこれ考えるとキリがないですが、こういったことが原因だったのではないかと自分なりに考えています。
羊水過少症の対策
とにかく母親は身体を安静にし子宮内を圧迫しないこと、お腹が張ったときは呼吸をしっかりとして赤ちゃんに酸素を送ることが対策だと思いました。
羊水を増やすために、医師に自分が水分をたくさん摂った方が良いのか尋ねましたが、そのような効果はないとの事でした。
妊婦さんへ
羊水過少症となって、妊娠中の無理は本当に危険であることを実感しました。
また、お金より生活より何よりも健康が大事ということを学びました。
どうかこの記事を読んでくださった妊婦さんがいたら、自分の身体を最優先に生活して欲しいと思います。
※出産後の赤ちゃんについてはこちらにまとめています。