宅配便大手のヤマト運輸では、宅配便を受け取りやすい時間帯を曜日ごとに設定しておける「Myカレンダーサービス」の提供を行っています。
これはヤマト運輸の無料会員サービスである「クロネコメンバーズ」の便利な機能の1つです。
他にも、LINEであらかじめ荷物の配達予定や不在連絡を受け取ったり、LINEの会話上で指定日時の変更ができたりと、1人暮らしや共働きで不在が多いという現代の状況にマッチしたサービスを次々に展開しています。
私もamazonや楽天をよく利用しており、連日ヤマトのお兄さんに配達に来てもらうのも申し訳ないなと感じていたため、先日クロネコメンバーズに登録をしてみました。
現在育休中のため日中は在宅なのですが、赤ちゃんのお昼寝中はインターホンを鳴らされたくないのが本音です。
そこで、Myカレンダーサービスでわが子がお昼寝しそうな時間に受け取れないように登録しておけば便利じゃないかと思いました。
しかし、よくよく考えてみると
Myカレンダーサービスってすごい怖いサービス
でないかという不安の方が大きくなり、登録を止めてしまいました。
この記事では、ビビりな私が個人的に感じた
Myカレンダーサービスの怖さと登録時の注意点についてまとめています。
【目次】
Myカレンダーサービスの問題点
臨機応変に対応できない
冒頭で説明したように、Myカレンダーサービスにはあらかじめ曜日ごとの受取可能な時間帯を登録しておきます。
そうすることによって、ネットショッピングで日時指定をし忘れたりできなかった荷物に対して自動的に指定をしてくれて、再配達を防げるというメリットがあります。
さらに、受取不可な時間帯に指定された自分宛の荷物が発送された際にも、このMyカレンダーサービス機能によって、受取可能な時間帯に自動的に変更してくれるのです。
しかし、この良かれと指定変更をしてくれるサービスにはシステム不備があるようで、配達トラブルが多発しているというネット上の報告が以下のように見つかりました。
発送トラブル二件発生。センター止めと記入して送り状にもそう書かれてる荷物がなぜか家に届く…なんでと問い合わせたら原因はクロネコメンバーズのMyカレンダーサービスで、良かれと思って時間指定指示に従ったらしい。失敗失敗
— 土地神 (@tochigami) 2017年11月3日
時間指定した荷物が来ない!配達トラブルか?と思い、気づきました。クロネコヤマトでは、Myカレンダーサービスの時間指定が優先され、時間指定の荷物も全て強制変更されるのです。とても迷惑なシステムです。【時間指定されていない荷物のみ、Myカレンダーサービスの時間に変更】すべきでは。
— 新井 佑朋(薬剤師) (@yuho_arai) 2017年9月19日
このように、Myカレンダーサービスに登録していない時間帯に突発的に日時指定しても、カレンダーの登録時間帯が優先されてしまうのだそうです。
このようなトラブルできっと現場ではさぞかし苦労されているのでしょう。
どうしても急ぎで受取りたかった荷物や、家族に配達を知られたくない荷物だと困りますよね。
情報漏えいのリスク
配達員からの漏えい
2017年、ヤマトの配達員男性が伝票から知り得た携帯電話番号を利用して、客の女性にLINEでやり取りしようとショートメールを送って来たというニュースがありました。
他の運送会社であっても、伝票やサービス登録データの内容が配達員から漏れるリスクはあります。
以前私が住んでいた地域では、同じ集合住宅に住む方がヤマトの配達員として担当していました。荷物の種類によっては恥ずかしさもありましたが、わが子達と遊んでくれるお友達のお父さんでもあったため、何より安心感がありました。
現在住んでいる地域の配達員の方は若い方で、積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれています。
先日は、日中停まっている夫の車を褒めてくれました。
ある時マスクをして応対した際に「お子さんの風邪がうつったんですか?」と言われました。
特に意味のない会話なのですが、
私はドキッとしてしまいました。
玄関にも子供の靴が並んでいるし、停まっている車にもチャイルドシートが取り付けられているので、わが家に子供がいることは訪問者には誰でも当たり前に分かります。
(私の見た目も含めて…)
それでも、娘を持つ母親として心の底で防衛的な気持ちが湧いてしまいました。
あまりにも自意識過剰で過度な被害妄想、配達員さんにも大変失礼なのは重々承知の上です。
個人情報なんてどこからでも手に入りますし、そんな世の中に慣れきって生活していました。
しかし、対面したことのある他人に個人情報・家族構成・在宅時間を知られている怖さをその時は感じてしまったのです。
不正アクセスによる漏えい
2014年には、クロネコメンバーズの顧客情報に不正ログインがあり、約1万件の登録情報が閲覧されてしまった事件がありました。
ヤマト側はセキュリティ対策をしていたのでしょうが、この事件はパスワードリスト型と呼ばれるハッキングによって引き起こされてしまいました。
パスワードリスト型とは、例えば利用者がヤマト以外のサービスにもヤマトと同じIDとPASSを利用していた場合、不正に入手した他社のID・PASSリストを用いてヤマトのサービスに対してログインを試みる方法です。
この頃はMyカレンダーサービスはまだ無かったため、在宅情報まで漏れることは無かったとは思います。
現在はMyカレンダーサービスに登録していると在宅時間まで漏れてしまうというリスクは0ではありません。
住所と在宅時間がセットになったリストが闇で売却されたらと考えると怖くなります。
犯罪被害リスク
上記のように在宅時間に関する情報が漏れることによって、空き巣などのターゲットにされやすいのではないかと考えました。
プロの空き巣はターゲットを必ず下見すると聞いたことがあります。
また、子供を狙った性犯罪も似たようなことがあるそうです。
ここで私が過去に空き巣被害に合いそうになった経験を紹介します。
私が高校3年生だった3月上旬、卒業式を終えていたので1人で自宅にいた際に訪問者がありました。
マンションの玄関ドア越しに応対すると、1人の男性が営業で全ての家を回っているとのことでした。
声や話し方から高校生くらいと判断したのでしょうか。
なぜ平日に家にいるのか問われ、子供相手に油断したのか、いつもこの時間に家にいるのかまで聞かれたのです。
怪しいと感じた私は訪問者が去った後も覗き穴から覗き続けましたが、訪問者は全ての家を回っているはずなのに他の家のインターホンを押すことなくマンションから出て行きました。
私の部屋は自宅の玄関を入ってすぐ前にあるため、部屋のドアを開けていると余所の家のインターホンの鳴った音や応対している会話もハッキリ聞こえるのですが、私の家に訪問者が来る前はそんな音は一切しませんでした。
無敵の高校生時代でしたので、マンションを出た訪問者を私は興味本位で尾行してみました。
するとマンションの裏手に回ってマンションを眺め、隣の集合住宅に入り5分程で出てきました。ここでも全ての家を回っている様子はありませんでした。
その後訪問者が道を歩いていくと後ろから乗用車が来て止まり、その車に乗って去っていきました。
ちょうど1週間後の同じ曜日の昼間に同じマンションで1件、隣の集合住宅で1件と連続空き巣事件がありました。
この情報は警察に伝えましたが、私の家もターゲットにされていたようです。
Myカレンダーの情報のみで空き巣に入られることは無いと思いますが、空き巣の下見情報がより正確になってしまう可能性も考えられます。
犯罪から身を守るために
上記のような怖さはありますが、不在がちな家庭にはとても便利なMyカレンダーサービスですので、登録をする場合はいくつか工夫をすれば良いかなと思います。
受取場所を指定する
2018年3月20日より、MYカレンダーサービスがリニューアルされ、新たに受取場所も設定できるサービスが追加されました。
ヤマトの営業所やコンビニ、宅配ロッカーのPUDOステーションをあらかじめ受取場所として設定ができるようになりました。
例えば平日の昼間は絶対に受取出来ない場合、全て平日は夜間のみ受取可能と登録してしまうと、平日の昼間が不在であると下見をしなくても分かってしまいます。
そこで、コンビニが帰り道にある方などは、帰宅時間に余裕がある曜日は受取場所を指定してみるのも良いかもしれません。
パスワードの運用
過去の不正アクセス事件に対しては、ヤマト側も再発防止として恐らく同じipアドレスからの大量アクセスは遮断するといった対策はしているかと思います。
しかし、同じIDとpassの組み合わせを使い回していると他でも危険はあります。
大変ではありますが、利用者が自分の身を守る手段として複数のpassを運用すべきだとは思います。
パスワード生成ができて管理もできるアプリで運用するのが、私は実用的だと思います。