わが家の次男は予定日より2か月半近く早く生まれてしまった早産児です。
そのため、予定日近くまでの長い間こども病院のNICUに入院をしていました。
※早産となってしまった経緯についてはこちらにまとめています
わが子のNICUへの急な入院が決まったら、
無事に退院できるか、退院はいつになるのか親御さんは不安で仕方ないと思います。
また、NICUなんて24時間体制で設備がすごいし、保険証だってまだ持ってないのに入院費用はどれくらいかかってしまうのだろうと経済的な面での不安も大きいと思います。
そこで私と同じような境遇の方に、
せめて費用面の部分だけでも参考になる情報を提供したいと思い、
実際に支払ったNICU入院費用を紹介します。
※私自身の出産費用はこちらにまとめています。
結論から言うと、1か月あたり1万円もあれば十分に足りましたので安心していただいて大丈夫です。
それでは、なぜ1か月あたり1万円で済んだのか説明していきたいと思います。
利用できる自治体の制度
私は産後のボロボロの精神状態で、
NICUの入院は1か月何百万もかかるという情報をネットで目にしてしまいました。
わが子のために車を売って、親戚中から借金もしていくしかないのかと途方に暮れた時もありました。
しかし、健康保険、国や自治体の制度によって逆に申し訳ないくらいに費用を助けてもらえました。
未熟児養育医療制度
次男の出生体重はわずか1067gでしたので、
この未熟児養育医療制度の対象となりました。
未熟児養育医療制度とは、低体重や循環器等の機能が未熟で、
医師によって指定の医療機関への入院が必要と判断された赤ちゃんが対象になります。
そして、この入院にかかる医療費を自治体が負担してくれるのです。
NICUに長期入院する赤ちゃんは、
ほぼこの制度の対象となるのではないでしょうか?
この制度は申請のための書類を揃える大変さはありますが、
難しいことではないので心配は不要です。
私の住む自治体では、
世帯収入に応じて自己負担金が発生するとの事でした。
ここは自治体によってルールが異なるようです。
子どもの医療費の助成制度
この制度は子供が必要な医療を容易に受けられるように、
医療費の一部を各市町村が負担してくれるのです。
対象となる子どもの年齢の範囲は自治体によって異なりますが、
産まれたばかりの赤ちゃんはどこでも対象になります。
この一部とは、医療費に健康保険が適用されると医療費全体の2割(子どもは)を自己負担しますが、この自己負担の分を指します。
未熟児養育医療制度と子ども医療費助成制度との兼ね合い
まず、未熟児養育医療制度の対象となる赤ちゃんの場合は、
未熟児養育医療制度が優先的に適用されるようです。
そして、未熟児養育医療制度で自己負担金が発生した場合、
この自己負担金を子ども医療費助成制度が負担してくれるという仕組みです。
保険証がまだ無い場合は…
未熟児療養医療制度、子ども医療費助成制度は共に健康保険に加入していないと申請ができません。
ですが赤ちゃんは産まれたばかりですし、
健康保険へ加入手続きをしても保険証が届くまでには時間を要します。
しかし、そういった事情は自治体の申請窓口の人も重々承知でしょうから心配しなくても大丈夫です。
赤ちゃんの出生届と健康保険の加入手続きを早急に済ませ、
手続き中である旨を各制度の申請窓口の担当者に伝えましょう。
保険証がまだ無くても手続きを先に進めてもらえる場合もあります。
手続きに関する失敗談
私は出産後の出生届提出を夫に頼みました。
本来はその場で子ども医療費助成制度の手続きも一緒にするよう窓口で勧められるのですが、夫はよく分からないからとその時に手続きをしませんでした。
そこで、私は退院後に何度も市役所に行きたくないので、
必要書類である保険証が出来上がったら助成制度を申請しようと考えていました。
そして、NICU通いで忙しい中、
何気なく市役所で配布された助成制度の説明書を読み直して焦りました!
必要書類の欄には「保険証」とあったのですが、
注意書きで「保険証ができていなくても申請は先にしてください(出生後14日以内)」とありました。
さらに、「出生後14日を過ぎた場合は、出生日に遡って制度を適用することができません」とまで書かれていました。
なんとちょうど書類に目を通した日が、
出生から14日目で土曜日だったのです。
3人目という余裕もあり、月曜に申請すれば何とかなるだろうと考え、
翌々日の月曜朝一に市役所に電話で確認しました。
すると、ルール通り遡ることはできないという回答でした。
さすがお役所です(自分が悪いのは承知の上です)。
その当時、まだ私はこれらの制度の仕組みを理解していませんでした。
そのため、1か月入院費が300万円かかるとして、14日間で約150万。
そのうちの2割負担分30万円。
きちんと申請していればこの30万円は負担しなくて良かったのに…
と勝手な計算をしてものすごく焦っていたのです。
それでも私は諦めきれずに、
次男が入院している病院のソーシャルワーカーさんに相談に行きました。
するとソーシャルワーカーさんが市役所に電話して事情を説明してくださり、
「本日中に窓口に来てくれれば特別に遡ります」と回答をもらうことができました。
14日目が土曜日で窓口が開いていないという点を考慮してもらえたようです。
ですので、こういった申請の締切は必ず守るように気を付けるべきです。
実際にかかったNICU入院費用を紹介
それでは実際に1か月あたりかかった入院費用を説明していきます。
【保険適用の部分】
診療総点数 310,393点
1点=10円なので 3,103,930円
⇒未熟児養育医療制度、子ども医療費助成制度のおかげで負担0円
【保険適用外の部分】
食事代(ミルク代) 53,120円
おむつ代 1日270円×30日=8,100円
⇒未熟児養育医療制度のおかげでミルク代は負担0円
最終的に負担したのは、おむつ代の8,100円のみでした。
次男の入院していた病院では「おむつ契約」というものがあり、
定額料金を払えば1日いくつでもおむつが使用できるというものでした。
わが家はこの「おむつ契約」を契約したため負担金が発生しましたが、
自分でおむつを購入し持参した場合はこの負担金はありません。
この部分は病院によって異なると思いますが、
「おむつ契約」を結んでいなければ支払いは0円だったということに驚きです。
したがって、次男の約2か月半のNICU入院でかかった費用は23,760円でした。
本当にこの日本で出産ができて良かったと思いました。
総額で考えると700万円以上かかっていたので、
健康保険や助成制度に感謝するばかりです。
NICU入院にかかる経費
先程紹介した通り、入院費は予想外に負担が少なく済みましたが、
毎日のNICU通いにかかる経費の負担は大きいものでした。
【交通費】
定期券1か月17,240円×3ヶ月=51,720円
回数券5,800円×3回=17,400円
合計69,120円
退院の時期が分からないので、
1か月ずつ定期券を購入していました。
また、基本的に毎日私がNICUに通っていましたが、
夫が面会に行く時のために回数券も購入していました。
【冷凍母乳に関わるもの】
母乳フリーザーパック 15,000円
電動搾乳機レンタル代 3か月 19,128円
合計34,128円
母乳フリーザーパックの購入はNICU入院には必須になります。
私が店舗やネットを調べ回った中で最もコスパが良いのはamazonでした。
ピジョン Pigeon 母乳フリーザーパック 80ml 50枚入 滅菌済なので衛生的
また、1日7,8回の長い搾乳生活を乗り切るためには電動搾乳機のレンタルも欠かせませんでした。
私は楽天の育児用品レンタルのお店を利用しました。
注文翌日にとても綺麗な状態で届き、
延長の対応も親切で満足できました。
そのほかの育児用品をレンタルするならこの会社にしようとも思いました。
搾乳機ポンプは1セットしか購入していないので、
1日7,8回の洗浄・消毒の作業は大変でした。
夜中の消毒は本当に辛かったので夜間のみ、メデラのスチームバッグで乗り切りました。
メデラ(medela) 電子レンジ除菌バッグ(5パック) クイッククリーン スチームバッグ
このように入院費よりも入院に関わる経費の方が負担が大きいので、
様々な助成制度には本当に助けられました。
この記事を読んでいただいて、私と同じ境遇の方の経済的な不安が、少しでもなくなるといいなと思います。
※NICU退院後の成長の様子はこちらにまとめています。